バイカル湖における富栄養化にともなう生態系変質リスクの検証(2015~2019)
世界の淡水湖沼容量の4分の1を占めるバイカル湖では近年、経済成長に伴い、一部水域での富栄養化が懸念されています。バイカル湖では1990年代に日本人研究者により生態系の炭素・窒素安定同位体比の分析が行われましたが、解析結果の大部分は公表されていません。本研究では未公開データを参照しつつ、バイカル湖の汚濁が進んでいる可能性がある水域と進んでいない水域の典型的な箇所を抽出して集中的にサンプリングを行うことで、炭素・窒素安定同位体比を指標にバイカル湖の汚濁進行の有無を明らかにすることを目指します。
人との相互作用によって持続する汽水湖生態系の構築(2013~2018)
「ヤマトシジミ漁業により流入する栄養物質の1~2割が除去される状態」を望ましい宍道湖の環境と設定し、植物プランクトンと塩分等物理・化学環境との関係、ヤマトシジミの動態(新規加入、成長、死亡など)、湖水の成層構造と貧酸素水塊の動態などの複数の観点から、望ましい状態を保つ塩分を総合的に検討します。