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海草と付着藻類はケンカしません

写真ボウバアマモの純群落

びっしりと付着藻類におおわれているのは、窒素濃度が検出限界以下の貧栄養海域にはえている、ボウバアマモの純群落です。ボウバアマモが抵抗できないくらい弱っているから、おおわれてしまったのではありません。根元は緑色で、十分元気です。

狸のシッポ状におおっていた植物は、大部分が藍藻でした。窒素安定同位体比を分析した結果、この藍藻は窒素固定をしていました。そしてボウバアマモなどの海草は、 この窒素固定起源の窒素を栄養源にしていると推定されました(Yamamuro, M., 1999, Coral Reefs, 18(3), 263-271)。窒素の少ない海で、お互いに助け合っているんですね。

かたや湖などの淡水域では、富栄養化すると水草に付着藻類がついて、光合成ができなくなり水草が枯れるという理解が、一般的なのだそうです。淡水と海水では、他にも重要な概念が違っているのかもしれません 。

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