縁の下の力持ち
植物の一次生産速度(光合成)を測る装置です。溶存酸素濃度の増加や減少から計算するので、中の水が完全に混合されていなければなりません。海水で使える攪拌機で、かつ、プロペラが植物プランクトンなどを破壊しないように細工できるものなんて見つからず困っていたところへ、科学機器の販売をしている出入り業者のKさんが「子供の玩具のマブチモーターがいいですよ。ほら、船を作る工作で使うやつ。安い(300円!こんな安い科学機器はない!)し、細工もできますから。」と教えてくれたのでした。写真で赤と白の潜水艦形をしたものがそれです。私の原著論文の2本はこのマブチモーターを使った研究でした。
Kさんには、装置を手作りする時にはいつもお世話になります。こんなことするための、こういうものないかなあ、とアバウトな相談をすると、適当な材料を必ず見つけてくれます。特殊な技術を持った職人さんを紹介してくれることもあります。謝辞には出てこないけれど、私の研究の、縁の下の力持ちです。研究って、決してひとりじゃできません。ホームページで紹介している「私」の業績は、たまたま私という軸の周囲で、多くの方々が支えてくれたからこそ形になったのだと思います。