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ヤッコカンザシ

それぞれの分野にそれぞれの常識があります。例えば潮間帯の生物は深さ方向にきれいな帯状の分布を示すことは海洋生物を学ぶ者なら常識です。でも地形を学ぶ者には常識ではないのです。
元禄時代に関東に起こった大地震で、どれくらい地面が隆起したのか。従来は地形から推定していたのですが、地理学教室で2年上の先輩だった茅根さん(現、東大助教授)が、「変なものがべたべたついてんだけど、これから当時の水深が分からないだろうか」と管棲多毛類の管を持ってきました。ヤッコカンザシという、かなり特徴的な管を作る種類だったので、私でもすぐに同定できました。

かくして房総半島や三浦半島で元禄地震の隆起量を見直す論文を発表することになったのでした。テクトニクスの分野では、しばらくヤッコカンザシがブームになったものです。

写真ヤッコカンザシ

元禄地震当時に潮間帯にいたヤッコカンザシ

写真ヤッコカンザシ

潮間帯に特徴的なベンチと呼ばれる地形の測量。立っているのは20年前の茅根助教授

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